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湯河原町立湯河原中学校のNEWS

 山口 学(昭和35年度卒業生) “やまない雨はない”コロナ禍でも頑張ろう!

2020.12.10

“やまない雨はない”コロナ禍でも頑張ろう!

 

私は、昭和36年3月まだ吉浜中学校との統合の前の湯河原中学校を卒業しました。今でも盆、暮には中央2丁目にある実家に帰省しますが、東京暮らしが長いせいか帰省すると野山海の素晴らしさ、食べ物の美味しさ、そして懐かしい友人達との再会等、とても楽しいひとときを過ごします。

 

かつて、湯河原に住んでいた時は、ひとときたりとも感じ得なかった湯河原の素晴らしさが、今、とてつもなく大きな“うねり”になって私の感情に迫り、会社生活が終了したら「湯河原に帰りたい!」と感じる今日今頃です。

 

私は、大学卒業後、東京電力に入社しました。37年間東電で、そして引き続き東電のグループ企業である関電工で充実した会社生活を過ごすことができました。

 

せっかくの機会ですので、この52年以上の会社生活で、私が体験したことを通じて得た教訓を皆さんの参考にしていただければ幸いです。

 

1. 学歴だけを偏重する時代は崩れ始めている

 

学歴が尊重される時代から、今後本人の能力、個性が重んじられる社会になっていくと思います。だからこそ、自分の興味のあることを深堀りしてほしい。

 

2.危機感こそ変革の起爆剤となる

 

「このままでは駄目だ!変えなければ、変わらなければ!」という切迫した危機感を感じた時、人も組織も変革するのです。

 

3.目標を持って行動しよう

 

在学中でも社会人になっても、勉学に限らず日常生活のなかでも、些細なことでも目標や期限を決め、「これだけはやり遂げよう!」と自分に約束して取り組む

 

4.趣味やスポーツを通じて人生の友人を作ろう

 

人口約1億2千万人の日本のなかで、皆さんが一生で出会い作れる友人が何人いると思いますか。たかだか多くて数百名だと思います。だからこそ、勉学、趣味、スポーツ等、多種多様な人との付き合いを通じて作る友人は“大切な財産”となります。

 

5.人は「何を言ったかではなく、何を成したかが重要」である

 

多くの人は、それぞれ多種多様の意見を言いますが、「自分の言った意見に責任を持ちそして行動する」ことが大切です。単なる評論家にはならないでください。

 

6.人生良い事ばかりではない。どんな境遇にあっても全力を尽くそう

 

学生生活、社会人生活のなかでも、良い時もあれば不遇な時もあります。決してあきらめず、置かれた境遇のなかで嘆かず腐らず全力を尽くしてください。必ず良い時期が来ます。

 

7.仕事への誇り・使命感を大切にしよう

 

私は52年間以上の会社生活で、約10年前の福島の原発事故の復旧工事に際して、関電工の社長として生涯忘れ得ぬ経験をしました。あの過酷な原発事故のなか多くの住民が避難し、原発構内の多くの会社の作業員が避難するなかで、私の要請に従って発電所に残り、さらに事故時から今日まで延べ96万人にのぼる関電工、協力会社の作業員が関東各地から福島に赴き、命を懸けて原子炉の冷温停止を達成し、その後の復旧工事に従事してくれています。ただただ彼らへの感謝と同時に、「人が働くとは、どんな職業でも生活の糧としての給料だけではない、仕事への誇り・使命感が彼らに宿り行動させたのだ!」と痛感しております。爆発直後に現場に入った作業員の言葉を、私は今でも忘れられません。「俺達が作った設備を俺達が守らなくて、誰が守るんだ!」

 

皆さん、今世界は、日本は、新型コロナ禍で苦闘しています。しかし、ニューノーマルの生活のなかでも、人類はこの試練に立ち向かい打ち勝つと私は信じています。そうです、“やまない雨はない”のです!

 

日常生活が大きく変わり大変な時期かと思いますが、今だからこそできることを模索し、この時間を無駄にしない生活を送ってください。

 

 

山口 学 (やまぐち まなぶ)プロフィール

 

 

1946年、二宮町生まれ。二宮小学校、湯河原小学校、湯河原中学校、小田原高校、法政大学卒業。1968年、東京電力株式会社に入社。2005年から株式会社関電工代表取締役社長、2012年から代表取締役会長、2017年から特別顧問に就任。

 

 


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