校長室より 『 仕事 』 7/6
2020.7.6
「 仕事 」
3年生と校長面談をしていると、将来やってみたい仕事について話してくれる生徒がいます。
その仕事を選んだ理由や目的は様々ですが、自分の未来について15歳なりに一生懸命考えていています。
今年で38歳になる教え子から連絡がありました。
彼は地元を離れ、近県で建設業に従事しています。
「 現場監督として神奈川県内で造っていた建物ができあがったので、先生に見て欲しい 」
後日、案内された建物は想像以上に立派なできばえで驚きました。
完成を待ちわびている家族がどこかにいて、この建物と一緒にこれから幸せに暮らしていくのだなと想像して、私は自分事のように誇らしく感じ、見学に誘ってくれたことをとても嬉しく思いました。
彼の中学生時代を振り返ると、手先が器用で美術や技術家庭が得意でした。川釣りが趣味でルアー(擬似餌)を手作りしていました。
そして、何よりも友達や周りの人を喜ばせることが大好きな少年でした。
彼は今も、あの頃と同じように、大工として誠実に家を建てることでお客さんを喜ばせています。
自分の得意なことを活かして人生を歩んでいます。
もう日が沈みかけて薄暗い中、作業工程を丁寧に説明してくれる大人びた彼の横顔に、卒業してからの年月を大切に生きてきた証を見た気がしました。
校長 石井 朝方