校長室より 『 前へ 前へ 』 10/12
2020.10.12
前期を終えて
「 前へ 前へ 」
令和2年になり、今までに想像も経験もしなかった新型コロナウィルスへの感染拡大という緊急事態が世界中に広がりました。
今でも感染状況は収束したわけではありません。
けれど、緊急事態宣言が発令されていた頃に比べれば、マスクや手洗いで自分や周りの人を守る新しい生活スタイルが確立してきました。
それでも、生活の中で不自由を感じることも多かったのではないですか。
今年度の始まりの4月、5月は、世界中がステイホームを合い言葉に家に留まる生活になりました。
学校は休校。
生徒は友達にも会えず、学習はプリントを使い各自で進めていました。
本校では6月に分散登校が開始され、教室では半分の人数でマスク越しで離れて過ごしながら学習を再開しました。
感染状況はなかなか回復せず、運動会、修学旅行などの学校行事や生徒総会などの集会の開催を諦めざるをえませんでした。
7月にはいり、感染対策を充実させ、やっと部活動を再開できました。
しかし、3年生が目標にしてきた夏の総体は開催できませんでした。
生徒たちは本当に悔しかったと思います。
大会の代わりに8月末にスポーツ交流会が開催されました。
3年生は気持ちを切り替え、仲間と最後の試合ができたことを喜んでくれました。
そのことで、私達教員こそ救われました。
こんな風に、ほんの少し振り返っても、色々なことがありました。
あまりにもたくさんのことがあって、わずか半年間の出来事が遠い昔に起こったような気がします。
今日まで、生徒たちは、たくさんの困難を乗り越えてきました。
そして、思い通りに行かない現実と向かい合い、よく頑張っていました。
一人ひとりを心から褒めてあげたいです。
最近、シンガーソングライターの中島みゆきさんの「時代」という歌が頭に浮かびます。
『そんな時代があったねと
いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう』
と歌っています。
思い通りにならないことは今だけでなく、これからも何度も起こると思います。
例えば、今日運動会ができなかったこと、
勉強しても成績が思うほど伸びないこと、
友達と上手につき合えないこと、
部活動で練習しているのになかなか上達しないこと などです。
どんなにたいへんな時でも、進むべき方向がわからなくなった時でも、自分の思う前へ前へと、もがきながらでもいいから進んでほしいです。
進めば必ず出口が見えてきます。
出口の向こうには明るい光がさしているはずです。
そうやって見つけ出した先には、「あの時あんなに頑張った」、「あきらめずに進んだ」と、笑顔で話せる時が来るはずです。
必ず来ます。
そして、その経験は未来の生徒自身を支える力に必ずなります。
校長 石井 朝方