漫画も、また、よし!
2021.11.5
3年国語の古典分野では、和歌と『おくのほそ道』について学習します。古典分野は好き嫌いがはっきりわかれるところ。特に和歌については、「難しくていや。」「全然わからない。」という声をよく聞きます。ですから、少しでも興味をもってもらえるような「豆知識」を授業で話すようにしています。『万葉集』のところでは、額田王と天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)の恋の三角関係の話。額田と大海人の相聞歌(あかねさす…と紫の…ですね)をとりあげて、「今カレの目の前で、元カレと恋の歌を詠み合ったわけなのよ」というように。大化の改新や壬申の乱にも話は及び、時間がかかってしまうのが難点なのですが…。私がこの相聞歌と三人の関係について興味を持ったきっかけは、小学校5年生の頃に『天の果て 地の限り』という少女漫画を読んだことです。作者は大和和紀(『源氏物語』を漫画化した『あさきゆめみし』で有名ですね。)。恋の三角関係にキュンキュンしながら夢中になって読んだことで、それまで全く興味を持てなかった「歴史」というものに急に目覚め、ハマってしまったのです。私が古典好きになり、大学の卒業論文で和歌集を研究することになったのは、そもそもここが始まりだったと言えます。何がきっかけで夢中になれるものが見つかるか、わかりませんね。漫画も、また、よし!です。ただ、読む時期を考えてね。今、夢中になりすぎては困りますので…。(『天の果て 地の限り』は古本屋に行けばあるかもしれません。山岸涼子の『日出る処の天子』もお薦めです。こちらは聖徳太子氏のお話。聖徳太子は超能力者だったという斬新な解釈で、古代史に親しめます。)
3年学年主任 木村久美子