「小春日和」はどの季節?
2020.10.28
「小春日和」という言葉を知っていますか?
読み方は「こはるびより」。
春先の少し暖かさを感じる日のことだと思っている人もいるかもしれませんが、実は違います。
小春日和は、「晩秋から初冬の頃の、春のように暖かい日」のことを指す言葉です。
山口百恵の『秋桜』(読み方は「コスモス」。作詞作曲はさだまさし。)という曲に、「こんな小春日和の穏やかな日は」という一節がありますが、この曲の歌い出しは「薄紅の秋桜が秋の日の/何気ない陽だまりに揺れている」です。
ちょうど今頃の季節をイメージした曲なのでしょうが、情景が目に浮かぶようですね。
「小春日和」の「こはる」という音にも、柔らかな響きがあります。
季節を実感させる美しい日本の言葉だと思います。
日本人は、昔から季節感を大切にし、季節の特徴や美しさを表す言葉をたくさん使ってきました。
異常気象などで季節感を感じにくくなっている近頃の日本ですが、いにしえの人が大切にしてきた言葉を、これからも伝えていきたいですね。
2学年主任(国語科) 木村 久美子