遠きひとりと 君もなりなむ
2022.2.14
桜の花 ちりぢりにしも わかれ行く 遠きひとりと 君もなりなむ 釈迢空
(舞い散る桜の花びらのように、みんな別れ別れになっていく。君も遠い存在になってしまうのだろう。)
「釈迢空」は、国文学者であり民俗学者の折口信夫です。この短歌は、学校の教員でもあった彼が卒業生にあてたものです。3年生のみんなも、約1ケ月後にはこの歌のように別れ別れになっていくんだなあ…と、このごろしみじみと考えています。15日からの神奈川県立高校の入試が終わると、3年生は3月9日の卒業式に向けた特別日課となります。卒業式の練習をしたり文集を書いたり美化活動を行ったりと、3年間の自分たちの足跡を振り返り、成長した姿で卒業するための最後の準備をします。先生方は、一足お先にそのための準備をしながら、入学したころのみんなの写真を見たり、思い出を語り合ったりしているところです。あんなに幼かったみんなが、こんなに大きく逞しくなったんだなあ、って…。学年が上がるたびに、そして時々の学年集会でもずっと私が伝えてきたこと、覚えていますか?「青学年の全員で成長し、それを喜び合える学年になろう」「いっしょに成長してきた仲間に感謝する気持ちを持って卒業できる学年になろう」。あと1ケ月後、成長したみんなの姿を見るのが楽しみな一方、少し寂しくもある私です。
先日、新入生保護者説明会の受付を担当していて、1人の保護者の方から声をかけられました。「情野(木村の旧姓)先生ですか?」その方はなんと、私が学級担任として初めて送り出した卒業生だったのです。彼が中学を卒業して以来の再会、しかもお互いマスクをした状態だったのに、彼が一目で私に気づいてくれたことに本当に驚き、またとても嬉しく思いました。そして、そのころの自分の担任したクラスの思い出が一気によみがえってきました。目の前にいる彼は、今では立派なお父さん。「4月からよろしくお願いします。」とお互いに挨拶して別れました。いつの日か、今の3年生の誰かと、そんなふうに再会する日が来るのかもしれません。
ちなみに、その彼が、私の隣で受付を担当していた粟飯島先生の高校時代の同級生だったのにもびっくりでした。
3年主任 木村 久美子
冬に想う
2021.12.20
「寒いね」と 話しかければ「 」と 答える人の いるあたたかさ 俵万智
東北地方の山形県出身の私ですが、寒いのは苦手です。特に、関東の寒さは身に沁みます。雪が降るところから来たのに?と意外に思うかもしれませんが、私個人の感覚では、関東の寒さと山形の寒さは種類が違うのです。関東の冬は、カラカラに乾いた冷たい空気が皮膚に刺さるような寒さ。山形の冬は湿り気があって重く、しんしんとしみ込んでくる寒さなのです。就職して初めての年は、冬なのに雪がないどころか、毎日外に布団が干せそうなほど晴れているということに驚いたものでした。(山形の冬と言えば、朝から晩まで雪が降り続くことも珍しくなく、何日も太陽の姿を見ないなんて当たり前だったので…。)そして、乾燥した空気に喉をやられ、何度も風邪をひいたことを思い出します。神奈川県で暮らした年月の方が長くなった今は、だいぶ慣れました。逆に、毎朝毎晩の雪かきを考えると、きっともう雪国では暮らせないなあと思います。
さて、一番最初にあげたのは俵万智さんの短歌ですが、「 」にはどんな言葉が入ると思いますか?3年生は昨年学習したので覚えているかもしれませんね。「寒いね」と話しかけた時に相手が何と答えてくれたら心が温かくなるでしょうか?体に感じる寒さはあるけど、心がほっこりあったかくなる。そんな返事を考えてみてください。
3年生にとっては、いよいよ決戦の冬。まだまだ寒さは続きますが、こんな言葉もあります。「冬来たりなば春遠からじ」。この冬の先には光が降り注ぐ春が来ています。あと少し、もう少し、がんばれ3年生!
3年主任 木村 久美子
3年生第3回定期テスト始まる
2021.11.10
今日から、3年生の第3回定期テストがはじまりました。3年生にとっては、進路に関わる大事な大事なテストになります。
テスト1週間前からの放課後の補習には多くの生徒が参加していました。また、休み時間にも問題集に取り組む姿や、授業後には質問に来たり、受験生として最後のテストに臨む姿が見られました。
1人ひとり、もてる力を存分に発揮できることを祈っています。
最後まであきらめずにがんばれ!
3年担当
桑原紀明
漫画も、また、よし!
2021.11.5
3年国語の古典分野では、和歌と『おくのほそ道』について学習します。古典分野は好き嫌いがはっきりわかれるところ。特に和歌については、「難しくていや。」「全然わからない。」という声をよく聞きます。ですから、少しでも興味をもってもらえるような「豆知識」を授業で話すようにしています。『万葉集』のところでは、額田王と天智天皇(中大兄皇子)と天武天皇(大海人皇子)の恋の三角関係の話。額田と大海人の相聞歌(あかねさす…と紫の…ですね)をとりあげて、「今カレの目の前で、元カレと恋の歌を詠み合ったわけなのよ」というように。大化の改新や壬申の乱にも話は及び、時間がかかってしまうのが難点なのですが…。私がこの相聞歌と三人の関係について興味を持ったきっかけは、小学校5年生の頃に『天の果て 地の限り』という少女漫画を読んだことです。作者は大和和紀(『源氏物語』を漫画化した『あさきゆめみし』で有名ですね。)。恋の三角関係にキュンキュンしながら夢中になって読んだことで、それまで全く興味を持てなかった「歴史」というものに急に目覚め、ハマってしまったのです。私が古典好きになり、大学の卒業論文で和歌集を研究することになったのは、そもそもここが始まりだったと言えます。何がきっかけで夢中になれるものが見つかるか、わかりませんね。漫画も、また、よし!です。ただ、読む時期を考えてね。今、夢中になりすぎては困りますので…。(『天の果て 地の限り』は古本屋に行けばあるかもしれません。山岸涼子の『日出る処の天子』もお薦めです。こちらは聖徳太子氏のお話。聖徳太子は超能力者だったという斬新な解釈で、古代史に親しめます。)
3年学年主任 木村久美子
テストの週になりました
2021.9.27
いよいよ、テストの週になりました。勉強は計画通りにいっていますか?テストで大切なことは、「自分にあった勉強方法を確立すること」です。
そのためには、まずは、どんなやり方でもいいので、勉強することです。そして、自分に合わないやり方、自分にあうやり方を見つけていくのです。
「ローマは1日にしてならず」
勉強も同じです。毎日コツコツやり続けることで力になります。
テストまで残り2日。
できることを最後までコツコツやり続けましょう。
3年担当
桑原 紀明
秋の風物詩と言えば…
2021.9.17
3年生教室前廊下の造花を、向日葵から秋桜に替えました。通勤路では真っ赤な彼岸花が咲いています。秋への衣替えですね。竹内まりやの「セプテンバー」や、オフコースの「秋の気配」が聴きたくなる季節です。
私は山形県米沢市の出身ですが、この季節になるとどうしても作りたくなる料理があるのです。そう、「芋煮」です!しょうゆ味のおつゆに、サトイモ、牛肉、コンニャク(包丁で切るのは邪道、手でちぎるのが鉄則!)、たっぷりの長ネギ、を基本の具とした、山形県民のソウルフードです。山形県民はこの芋煮をこよなく愛し、秋風が吹き始めると必ず芋煮を食べます。家族で、友達同士で、職場の同僚と、学校行事で、部活や大学のサークル仲間と…。しかも、川原の石でかまどを組み立て、火を起こして芋煮を作り、ゴザやレジャーシートに車座になって、川原で芋煮を食べるのです。これが、山形の秋の風物詩「芋煮会」。この季節の土曜、日曜は、どこかしらの川原で芋煮会が行われます。ちょうど、夏のバーベキューや春のお花見のような感じですね。芋煮を囲んで歌を歌ったり踊ったり、一発芸をしたり、大人はちょっとほろ酔い気分になったり…みんなが笑顔になって仲良くなれる楽しい行事なんです。でもコロナ禍で、昨年も今年も芋煮会はできていないんだろうなあ。元県民としては寂しい限りです。
新型コロナウイルスの感染拡大が1日でも早く収まり、親しい人と集まって、輪になって歌ったりおしゃべりしたりできる日が来ることを願い、今週末は家で「2人芋煮会」をやろうと思います。(芋煮の作り方を知りたい人は聞きに来てください。米沢流を伝授しますよ。)
3年主任 木村久美子
夏の終わり
2021.8.30
絵日記の ページ尽きたり 夏の果て
「夏の終わり 俳句」と検索して見つけた、プロではない一般の方の作品です。中学校では見かけませんが、小学校ではよく絵日記が夏休みの宿題として出されているのではないでしょうか?私も経験しました。休みが終わるころに慌ててやろうとして、親にすごく叱られたことを思い出します。1行日記などという課題では、毎日の天気を書く欄があり、家族みんなで何週間も前の天気を思い出そうと苦労したこともありました。絵日記にしても1行日記にしても、それを記すためのページや空欄がなくなっていくということは夏休みが終わっていくということなわけで、何だか切なくなります。そんな気持ちがよく表れた一句だと思います。
ツクツクボウシ 百年終わらぬ 恋の歌
これも一般の方の作品。日本にはたくさんの種類のセミがいますが、それぞれ鳴く時期や時間帯が違うのだそうです。「カナカナ」と鳴くヒグラシは、セミなのに暑いのが苦手で涼しい時間帯に鳴きます。だからヒグラシだけど朝方にも鳴いているらしい。句の中のツクツクボウシは、その名の通り「ツクツクボーシッ、ツクツクボーシッ」とリズミカルに鳴きますが、これが聞こえだすと「そろそろ夏休みも終わりかぁ」という気持ちになりますね。もちろんまだまだ猛暑日もあるのですが、日暮れがだんだん早くなってきたり、夜は虫の声が聞こえたりと、確実に季節は移ろっています…
緊急事態宣言の延長に伴い、Ⅱ期の開始が9月1日になりました。みなさんとお会いするのは少し先になります。3年生は中学最後の夏休みでしたね。こういう状況だから「思いっきり」とはいかなかったかもしれませんが、充実した休みにすることはできましたか?あと数日、ゆく夏に思いをはせ(BGMは、森山直太朗「夏の終わり」か、玉置浩二&井上陽水「夏の終わりのハーモニー」で…)、気持ちを新たに9月1日にお会いしましょう。
3学年主任 木村久美子
5分という時間
2021.7.15
みなさんは5分という時間を、どう思いますか?たった5分、されど5分。時間は無限にはありません。その5分をどう使うか・・・5分×12セットで1時間!
5分のあれば、何かを覚えたり・練習したり・行動したり自分を変えることも可能です!
5分あれば、ストレッチや筋トレも可能です。
今夜は、みんなで筋肉体操(体幹スーパーセット)。ぜひ、時間を大切にしましょう!
3年職員 今井
夏の大会
2021.7.13
小田原・足柄下地区中学校総合体育大会が始まりました。この土日も30℃を超える暑さの中、各会場で熱戦が繰り広げられています。
勝負ごとなので結果がはっきりつきます。順調に進むこともあれば、思うようにならないときもあるでしょう。でも、勝つことだけがすべてではありません。
チームには、試合に出ていなくてもベンチやスタンドで応援してくれる仲間がいます。朝、お弁当を用意して家を送り出してくれる家族、大会の準備をしてくれる方々、そういったたくさんの人たちに支えられて、今ここで試合ができる。このことを忘れずにいてください。思えば、去年のこの大会は中止でした。
選手のみなさんに望むことは・・・
「感謝の気持ちをもって、チームで心をひとつにして、力をすべて出し切ること」
健闘を祈ります。
本日は『七夕』
2021.7.7
7月7日、本日は七夕です。
天気は雨っぽいですね。
七夕の雨は「洒涙雨(さいるいう)」と呼ばれるそうです。
織り姫、彦星夫妻は仲が良すぎて仕事をせずに遊んでばかり。怒った神様が天の川を挟んで離ればなれにしたが、悲しみに暮れる姿を見かねて年に一度だけ会えるようにした。
そんな七夕の雨は、別れを惜しむ二人の涙とされるそうです。
湯河原中学校では、8組が七夕の短冊を飾った記事がありました。
他にも1年生の各教室・3年4組前・昇降口前に七夕の短冊が飾ってあります。
『コロナの状況が良くなりますように』、『次のテストで良い点が取れますように』など、色々なことが書いてありました。
1年生の各クラスで、どんなことが書いてあるのかなと見に行くのが楽しみです。
もし保護者面談で来た際に、飾ってあったら見てみてください。
1年職員 志田